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しんちゃんの七輪陶芸、12年の日常

杉浦日向子と夢枕獏 10月24日(土)

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     「百日紅 上」 作 杉浦日向子
 
  北斎に乾杯を   夢枕獏
 本書のタイトル『百日紅』には、もちろん意味がある。
 作者の杉浦日向子が、実業の友社版『百日紅(一)』(一九八五年初版)の中で、次のように書いている。

 散れば咲き 散れば咲きして 百日紅
 とは、江戸の女流歌人、加賀千代女の句です。
 家から駅へ行く道に、百日紅の木がたくさんあり、梅雨明けを合図に、わっと咲きはじめます。
 その期間は道が薄紅色になるほど花を散らすのですが、花びらを踏みながら見上げると、どの辺が散ったのかわからないくらいに、びっしりと咲いているのです。
 果実がたわわに成る、とは言いますが、この木は花がたわわに咲き、花の重みで、枝が弓なりになってしまいます。
 わさわさと散り、もりもりと咲く、というお祭りが、秋までの百日間続きます。長い、長いお祭りです。
 百日紅のしたたかさに、江戸の浮世絵師がだぶり、表題はこんなふうに決まりました。
 ふとした出来心で、北斎にちょっかいを出してしまいましたが、手の上でころがすには、このジイさん、大きすぎ、象を一本背負いするような愚挙だったと、苦笑しています。

これを読んだ時にはぶったまげた。
”あ、この人(作者)確信犯だ”
 なんで北斎のことを描いている物語のタイトルが”百日紅”なのよ、ようわからん――その謎がこれで解けたのである
 解けてみれば、なるほど、これほどハマるタイトルはない。
 百日紅は、いくらでも咲く。
 咲きながら、花をおびただしく散らしてゆくのに、見あげれば、まだどれほども量を減らしていない満開の花が頭上にある。咲かせて、散らせて、咲かせ続ける。散らせ続ける。どれだけ散っても枯れるということがない。減るということがない。
 散れば散るほど、いよいよたくさんの花が”もりもり”と咲いてくる。
 北斎。
 描けば描くほど、いよいよ描きたいものが増えてゆく。
 一生を、じたばたとし、生ぐさく生き、なお、どこかで人間界をぶっ飛んで枯れていたような側面もある。
 この北斎を、確信犯杉浦日向子が描いた。
 これで、おもしろくないわけはない。
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 北斎の娘、アゴことお栄と、居候、善次郎:のちの渓斎英泉。
川の土手で風に吹かれる、白い画面が抒情的。
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筆の荒い線に木間の光、暑さの描写。
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蓮の葉に降る雨の量感。




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by shinchan7rin | 2015-10-24 09:39 | 読書 | Comments(0)

今日もこんなことがありました。造って焼いてその日に使える七輪陶芸、一緒にやってみませんか。
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